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2025/6/21

被相続人居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3000万円控除

被相続人居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3000万円控除」という特例をご存じでしょうか?


① 特例の内容

相続または遺贈で取得した被相続人が居住していた家屋やその敷地(土地)を、要件を満たしたうえで売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円が控除されるというものです。

  ※令和6年1月1日以後、相続人が3人以上いる場合は控除額が2,000万円になります。


② 適用期間

  • 売却期限は相続開始から3年以内の年末まで。
  • 特例適用期間は、平成28年4月1日から令和9年12月31日まで。

③ 対象となる資産

  • 被相続人が「居住用」として住んでいた家屋(昭和56年5月31日以前に建築・区分所有でない・相続直前に他の居住者がいない)およびその敷地となります。※区分所有でないということは分譲マンションでは使用できないということです。
  • 売却対象は以下のいずれか:家屋のみ、または家屋+敷地をそのまま売却家屋を取り壊した後、敷地のみを売却

④ 適用要件の詳細

利用状況

  • 相続から売却まで、事業用・貸付用・居住用に供されていないこと。

耐震条件

  • 家屋が譲渡時に耐震基準に適合していること、または譲渡後から翌年2月15日までに耐震改修済みであること。※旧耐震基準で建築されその後、耐震改修を行い耐震基準に適合していることが要件です。

売却価格の上限

  • 建物+土地の譲渡価格合計が1億円以下であること。複数の相続人が別時期に売却しても合計額で判断。

売却相手

  • 第三者に売却すること。親族等の特別関係者への譲渡は不可

⑤ 控除額の取り扱い

  • 譲渡所得が3,000万円(または相続人3人以上時は2,000万円)を下回る場合はその金額が限度
  • 同一年に空き家とマイホーム両方売却した場合でも、3,000万円合計

⑥ 共有相続の場合

  • 兄弟など共同相続し、共有で所有→売却した場合、相続人一人につきそれぞれ最大3,000万円の控除が可能。ただし、家屋・土地の取得登記が共有であることが前提

✅ ポイントまとめ

チェック項目 内容
控除額 最大3,000万円(複数人相続時は2,000万円)
適用期間 相続開始日から3年以内の年末まで。施行は〜令和9年12月31日。
適用対象 被相続人の居住用家屋とその敷地、取り壊し後の土地も可
売却要件 第三者への譲渡。価格合計1億円以下。事業等に使わず耐震対応済。
共有相続 共有者各々が3,000万円控除可能(共用条件あり)
必要書類 登記事項証明・売買契約書・確認書・耐震証明など

対象となる方(同居相続・空き家相続で売却予定の方)は、譲渡前に耐震改修や取り壊し計画を進めつつ、3年以内の早めの売却を検討し、申告準備を進めることをおすすめします。※区分所有建物は適用できません。

※必ず、税務署や税理士へ事前に相談することをお願いいたします。

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